足関節外側靭帯損傷(足関節捻挫)の理学療法・リハビリテーション

足関節外側靭帯損傷とは、足関節の外側の靭帯(前距腓靭帯、踵腓靭帯、後距腓靭帯)を損傷した状態のことをいいます。

以前は、「捻挫」はすぐ治る放っておけば良くなると思われてしまい、そのままにしてしまうことがありましたが、可動域制限、痛み、バランス低下などの機能障害が起こる可能性があります。

特に足関節の背屈(はいくつ)可動域制限が問題となります。

背屈とは、つま先を上に向ける、体重をかけるときの下腿が足の方に向かう動作を言います。

足関節外側靭帯損傷後は可動域の制限が生じることがとても多いです。

痛みを避ける動作やテーピング固定によって筋膜・筋肉が硬くなったり、距骨という骨が後方へ滑り込まなくなったことで起こります。

距骨が後方に動かないことで、しゃがみこみで足関節前面につまり感が生じたり、また、つま先が外を向くことで膝が内側に入る動きになります。

つま先が外、膝が内側に入る状態(Knee in Toe out:ニーイントーアウト)が長期間続いてしまうと膝関節、股関節、腰部に負担が生じ、痛みが起きやすくなります。

可動域制限が残ったままだと、歩行時に膝、股関節、腰に負担がかかり二次的な機能障害を引き起こしますので、機能障害に対して理学療法が必要です。

また、複数回、足関節外側靭帯損傷を繰り返している場合、制限ではなく関節の不安定性が生じている残していることがあり、不安定性に対してはバランス能力の改善のための運動療法が重要になってきます。

「昔、足をひねったことがあります」という既往歴があり、足関節の可動域制限やつま先を外に向けた歩き方をしている場合は、距骨の動きを評価する必要があります。

修正のためにはストレッチだけでは不十分で、理学療法士による関節モビライゼーション、Knee in Toe outの動作癖改善のために動作指導・練習ををしていく必要があります。

足関節外側靭帯損傷の理学療法

受傷度(図)に応じて、受傷から1~3週間テーピングや弾性サポーターによる固定を行います。

炎症症状(安静時痛、荷重時痛、腫れ、熱感、赤み)の強い急性期にはRICE処置(休息・アイシング・圧迫・挙上)の実施、体重をかける練習、患部外エクササイズを実施します。

また、足もつけないような重症例(グレードⅡ〜Ⅲ)には松葉杖にて免荷歩行を行います。

炎症症状が治まってきたら、炎症により生じた可動域制限の改善を目的とした関節モビライゼーション・ストレッチング、低負荷のエクササイズを実施します。

スポーツをしている場合、機能維持を目的に股関節周囲の患部外エクササイズ、足関節に負担をかけない状態での体幹エクササイズ、エアロバイクによる有酸素運動を実施します。

スポーツ復帰は、損傷の程度にもよりますが、約2〜4週間以降となります。

スポーツの基本動作獲得、また、足部の安定性向上のためにスクワット、ランジ、サイドランジなどを行います。

組織損傷が改善してきたら、徐々に踵上げの運動(ヒールレイズ)やバランスエクササイズを行っていきます。

ヒールレイズは、最初は両足から始め、徐々に片足での行います。踵上げが安定してできるようになったら、ジャンプ動作へと移行していきます。

復帰時は、基本動作から開始し、徐々に対人練習に参加していきます。