グロインペイン症候群(鼠径部痛症候群)とは

ランニングや起き上がり、キック動作など腹部に力を入れたときに鼠径部やその周辺に痛みが生じる状態です。

急なストップ動作や方向転換を要するサッカー、ラグビー、ホッケー、テニスなどのスポーツ選手によく生じます。

女性よりも男性に多く、カッティング動作やボールを蹴る動作で痛みが発生しやすいのが特徴です。

グロインペインは痛みの部位は鼠径部ですが、痛みの原因として内転筋、腸腰筋、鼠蹊管、恥骨、股関節などがあります。

理学療法では痛みの原因が何か評価し、原因に対して治療を行っていきます。

グロインペイン症候群(鼠径部痛症候群)の理学療法

急性期

急性期では痛みのコントローのために、安静、服薬、日常生活動作指導(疼痛が軽減する動作を指導)を行います。

股関節に痛みの出ない範囲での患部外エクササイズも行い、早期スポーツ復帰に備えます。

関節モビライゼーション・ストレッチ

股関節内旋可動域の低下や、股関節後方筋群の硬さにより大腿骨頭が前方に滑り股関節前方のインピンジメント(組織の挟み込み)を生じている場合には股関節の柔軟性を改善するために関節モビライゼーションやストレッチを行います。

エクササイズ

個々の身体機能、競技特性を考慮したストレッチ、筋力トレーニング、運動パターンの修正を行います。

股関節外転・内転筋の筋力低下がある場合は下肢のエクササイズを行います。また、体幹筋の機能低下、コントロール不良により股関節周囲の筋群にストレスがかかっている場合には体幹コントロールエクササイズを行います。

 

大腿骨が骨盤上で逸脱することなくコントロール出来るようなトレーニングも実施します。

サッカー選手などボールを蹴る際に股関節内転筋(太ももの内側)に対して強いストレスがかかる場合は筋力強化も必要とされます。

姿勢修正エクササイズ

不良姿勢により股関節周囲筋の筋力低下や、股関節前面のストレス増大が生じている場合には姿勢修正の指導を行います。

動作修正エクササイズ

スポーツ動作において股関節屈曲・内転・内旋動作(膝が内側に入るような動作:Knee in Toe out)では股関節前方のインピンジメントが生じやすいです。

Knee in Toe out を改善するために、荷重下での動作練習を行います。体幹・股関節周囲筋の筋力低下や協調性低下がある場合は、個別にエクササイズを行います。