
初めまして、理学療法士の小柳智哉です。
最近は朝晩の気温が低いことも多く、お家でも靴下を履いている方も多いのではないでしょうか?
今回は、そんな靴下の中で身体を支えてくれている足の悩みで患者さんから聞くことの多い扁平足についてご紹介していきます。
最後には運動も紹介しているので、皆さんできるかやってみてくださいね。
扁平足とは
もしかしたら皆さんも一度は聞いたことがあるかもしれないですが、扁平足とは足の変形の状態で、
一般的に土踏まずが潰れて平らになっている足のことを指します。英語では『Flat Foot』と呼んだりされています。
小児期から成長期・成人と幅広い年代に生じる可能性のある足の変形で、当院の患者さんでもレントゲン画像やフットプリントの評価で扁平足を認める
患者さんも多くいらっしゃいます。


土踏まずは、医療的には足に3つあるアーチのうちの一つ、『内側縦アーチ』のことを指します。
ここからは、足のアーチ構造について簡単に説明をしていきます。
人が立っている間、足には全体重がかかるため、非常に負担が多い場所です。体の全体重を足で支え続けることは非常に疲れてしまいますよね。
そのため、足には体重を少ない力で支えるための秘密が準備されているのです。
その秘密が、アーチ構造で『長崎の眼鏡橋』や『新潟の萬代橋』など橋の建築にも利用されている構造で、固定や支柱を必要とせずに重さを支え合う形をとっています。
アーチ構造の特徴は、一番上にある要から両端に荷重をすることで、重さを支える形となっています。
土踏まず(内側縦アーチ)では、舟状骨(しゅうじょうこつ)と呼ばれる骨が一番上にある要の役割を担っています。


扁平足を有している方は、先天的にもともと足が柔らかい、加齢や怪我などに伴う筋力低下・靭帯の緩みなどで要である舟状骨が下に落ちて生じます。
舟状骨が落ちている状態だと、アーチ構造が働かないため土踏まずが潰れてしまう扁平足と呼ばれる状態になります。
扁平足がある状態ですと、足首が内側に倒れ込んだり、膝が内側に傾いたりする姿勢や動き方になりやすいため身体の使い方に練習が必要です。
しかし、皆さんに勘違いをしていただきたくないことが、扁平足があることが決して体に悪いということではなく、適切な身体の使い方を行えていれば、問題はありません。
扁平足に対する治療方法
扁平足に対する治療方法は、身体の使い方と運動練習などのエクササイズ、テーピング やサポーターで土踏まずを支える方法、
正しいサイズの靴の着用や土踏まずを支えるようなインソール の作成などの治療方法が様々あります。
ここからは、足の使い方のエクササイズの1つとして患者さんにも行わせていただいているショートフットエクササイズをご紹介します。
このエクササイズの特徴は、有効といわれているタオル握りの運動と比較して、より足の裏で舟状骨を支える筋肉に効果があり歩くときに内側縦アーチを支えることができると言われています。
運動のポイントは、
- 爪先を丸めずに、『足を短くする』こと
- 最初は座った状態から開始し、うまくできるようになったら立った状態で行うことです
この運動は、効果的ですが難しい運動でもありますのでぜひ試してみてください。
当院では、理学療法士のエクササイズ指導だけではなく、足部の変形やインソール の作成に研鑽を積んでいるスタッフが痛みの改善や変形の予防・身体機能の向上について対応させていただきます。
ぜひ、お気軽にご相談してください。
リハビリテーション科 理学療法士 小柳智哉
参考文献・引用文献
- 標準整形外科学 第10版
- 野島ら:ショートフットエクササイズによる運動介入が動的内側縦アーチ高に及ぼす影響 2017
-
Edward P. Mulligan:Effect of plantar intrinsic muscle training on medial longitudinal arch morphology and dynamic function: Manual Therapy 18 (2013) 425e430
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Eun Kyung Kim:The effects of short foot exercises and arch support insoles on improvement in the medial longitudinal arch and dynamic balance of flexible flatfoot patients J. Phys. Ther. Sci. 28: 3136–3139, 2016
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