
こんにちは、理学療法士の小柳です。
以前、当院のHPで『お尻の筋肉 大殿筋』というブログで筋肉の紹介をさせていだきました。
今回は、第二弾でお尻の筋肉の中で重要とされている中殿筋について紹介をさせていただきます。
中殿筋 (Gluteus Medius)
中殿筋(ちゅうでんきん)は、お尻の筋肉で後ろから外側に向かって位置している筋肉です。(図)
三角形の形をしていて、大部分を大殿筋に覆われている筋肉です。
歩く、走るなど片脚立ちになる際に、身体を支えるために中殿筋が力を発揮します。この筋肉が弱っていると歩く時にふらついたりすることがあります。
また、足を浮かせている状態では、足を横や斜め後ろ方向に開く力があります。
歩く中での中殿筋の作用
人間が歩いている時は、両足が地面に接している時間(両脚支持期)と片足だけが地面に接している時間(片脚支持期)があります。
中殿筋は、足が地面についてから体重が乗り、片脚だけで立つ時に力が入る(収縮する)筋肉です。
片脚立ちの時に股関節にかかる力は、体重の1.5-2.0倍になると言われており、私(体重63kg)では、約95-120kgぐらいの強い力が必要になっているとされています。
中殿筋だけの力ではないですが、身体を支えるためにはかなり大きな力が必要になります。
中殿筋が弱い状態ですと、デュシャンヌ徴候やトレンデレンブルグ徴候といった歩く時に、骨盤が傾く歩容になりやすいと言われています。(図)

中殿筋のエクササイズ
中殿筋のエクササイズは、横になり足を動かすものと、足を地面についた状態での運動などさまざまな種類があります。
ここで今回紹介するエクササイズは、横になり行える『ヒップアブダクション』というエクササイズです。
アブダクションとは、『外転』という意味で、足を外側に開くということです。運動の名前は、そのまんまですね。

運動の方法は、
- 横向き(側臥位)で、床側の足を軽く曲げておく
- 上側の膝を伸ばした状態で、足を外側へ開く
- お尻に力が入っていることを意識(確認)する
注意点としては、
- 足を開く時に、身体よりも前側で上げないように、後側へ開くことを意識する
- 足や骨盤の向きが、上向きにならないように腹筋(体幹)に力を入れる ことです。

エクササイズの目安は、10回を2-3セットです。
痛みがない方や、出来る方は、20-30回と回数を増やして行っていただければと思います。
この運動で痛みが出る方や、股関節に痛みがある方などお気軽に当院へご相談ください。
当院では、股関節など身体に詳しいスタッフがリハビリを対応させていただきます。
理学療法士 小柳