
こんにちは、理学療法士の佐藤陽之樹です。
今日のブログは患者さんから質問の多い「肩関節」についてブログを書きたいと思います。
肩が痛くて病院に行ったら肩腱板損傷・肩腱板断裂って診断されたけれど、私の肩は一体どこを怪我してしまったの?
今回はこの疑問を解消していきたいと思います。
腱板とは
腱板とは肩関節を動かす筋肉の腱のことをいいます。
ふくらはぎと踵の繋ぎ目をアキレス腱と呼ぶように
肩の筋肉と二の腕の骨の繋ぎ目のことを腱板と呼んでいます
特に腱板は肩関節のインナーマッスルと呼ばれています。

関節を動かす筋肉には大きく分けて2層に分かれています。
- 体の表面から触りやすく、関節の大きな動きを行う筋肉をアウターマッスル。
- 体の表面からは触りにくいような骨の近くに存在して、関節の安定化に関わる筋肉をインナーマッスル。
アウターマッスルはボリュームが大きく、力を発揮したり、瞬発力を出すのは得意な筋肉です。
その反面、力の大きさゆえに関節の軸がブレやすいのも特徴です。
インナーマッスルはボリュームが小さく、力も瞬発力も出せない反面、
動きに合わせて関節を安定させて軸を合わせることが得意な特徴があります。
2種類の筋肉が協調して働かないと重い物を物を持ちあげるような大きな筋力発揮ができません。
つまり、
肩の腱板に傷がついて関節を安定させながら腕を動かす機能が下がってしまうと、
肩には負担になって痛みの原因となってしまうのです。
損傷・断裂?
損傷や断裂は同じ言葉の意味で使われます。
腱板の損傷度が、
切れている部分と切れていない部分がある場合を部分断裂
完全に切り離された状態を完全断裂と呼び方が変わります。
肩腱板断裂になると
- 可動域の制限(肩があがりにくい、背中に手を回せない)
- 筋力低下(痛みで力が入りにくい)
- 夜間痛(動かしてもいないのにズキズキとした痛みがでる、痛みの出ている肩を下にして寝ると痛みが出る
などの自覚症状がでます。
それに加えて、腱板断裂の特徴として
- 肩甲骨の浮き上がり
- 腱盤につながる筋肉の萎縮
- 力を入れて肩を動かした時よりも力を抜いた時の可動域が大きい
などが臨床的な特徴としてよくみられます。
当院ではまず、医師の判断で投薬による疼痛コントロールを行います。
その後、理学療法士による身体評価を行います。
日常やお仕事で肩の負担となっているものがないかを確認、修正のアドバイスを行います。
肩の炎症の治癒状況に合わせて、患部外のエクササイズから肩に対するストレッチ・エクササイズ指導をおこなっています。
部分断裂程度が小〜中断裂ではリハビリテーションを薦められています。
理学療法士 佐藤 陽之樹
参考文献
臨床スポーツ医学_2018_10_岩堀
肩関節理学療法マネジメント_2019_村木・山本
Management of Rotator Cuff Injuries_2020_Weberら