こんにちは、理学療法士の佐藤です。
今日のブログは「こどもと筋力トレーニング」をテーマにブログを書きたいと思います。
当院ではリハビリテーションとしてエクササイズを一緒に行い、自宅でも続けて取り組めるような運動指導を行います。
指導する内容は高齢者〜成人〜子供まで取り組めるような、どなたでも実施可能なものを選んでいます。
指導する内容は
・筋力トレーニング
・ストレッチ
・バランスエクササイズ
・有酸素運動
特に筋力トレーニングは子供と大人では子供の発育を理由に目的を変えています。
筋力強化よりも運動不足や効率的ではない体の動かし方を修正するためのトレーニングを子どもに指導していきます。
その理由である子供の発達をまずはお話しします。
こどもの発育
こどもの発育を考える上で有名な図をお見せします。
「Scammonの発育曲線」と呼ばれるグラフです。

解剖学者であるScammonさんが報告した0歳から20歳までの発育の特性を4つの型に分けてグラフ化したものです。
縦軸を0%始めとして発育の変化を示し、横軸は年齢を示しています。
上からリンパ型、神経型、一般型、生殖型に分類されています。
幼稚園へ通う3歳くらいまでは、神経型・一般型は発育度が同じように上昇するのに対し、
小学生へ上がる頃になる5歳以降は一般型の発育度は一度落ち着いて、神経型の発育度は上昇し続けること。
さらに思春期を迎える中学生にあがった13歳以降にまた一般型の発育度が上昇し、逆に神経型の発育度は落ち着くといった曲線を描いています。
難しい話に聞こえると思うのでここまででまとめると
小学生高学年までは運動神経や脳の機能の発達が中心で、
いわゆる筋肉の発達(筋力をつける、大きく、重くする)は
中学生高学年以降が中心になる
発育に合わせた時期に適切なトレーニングを行うことで発達を促せます。
反対に発育度が未熟な時期に適切ではない必要以上のトレーニングを行なってしまうと
発達を阻害するばかりか、刺激が必要以上に大きくなってしまい故障や怪我につながってしまいます。
私たちは運動不足や正しい体の使い方を習得するために、筋力トレーニングは子どもにとって必要と考えています
昔は必要な時期に自然と外遊びで運動経験を得ていましたが、今は外に出なくても楽しめる娯楽(テレビゲーム・Youtube)がたくさんあります。
学校以外は家にいることも珍しい生活習慣ではなくなってきました
その反対にオーバーユースとって特定の動きを繰り返しある一箇所に負荷が集中して障害に繋がることがあります
小さい頃から負荷の高いトレーニングを積むことでみられることもありますが、
体にとって正しい動かし方ができずに負荷がかかっている場合もあります。
その場合は正しい体の動かし方の習得を目的に筋力トレーニングをリハビリで指導します。
今回のブログでは筋力トレーニングを中心にお話ししました。
実際のリハビリではストレッチ・筋力トレーニングを含めた運動指導だけでなく、姿勢指導・日常生活指導(靴サイズ、座り方)を理学療法士がプログラムします。
佐藤
参考文献
学校の運動器健診_子どもの身体と障害の診かた_内尾、高橋、武藤_中外医学社
ジュニアアスリートをサポートするスポーツ医科学ガイドブック_金岡、赤坂_MEDICAL VIEW
子供の発達から考える運動指導法体力と運動能力を伸ばすプログラム_新田、松田、楠本_NAP Limited