
こんにちは、理学療法士の小柳です。
今日のブログは、タイトルにある通り『身体の柔らかさ』についてです。
テレビなどで、新体操の選手などとても身体が柔らかい人を見たことがあるかもしれません。
私たちもリハビリをしていると、身体の特性としてとても柔らかい関節をされている方に、お会いする機会があります。
今日は、そんな身体の柔らかさについて解説をしていきます!
関節の構造
まず、柔らかさの話をする前に少し関節の話をすると、
人間の関節は、『2つ(2つ以上)骨が連結する構造体』を指します。
関節には、骨以外に関節包・滑膜・靭帯などの
関節構成体と呼ばれる軟部組織で構成されています。

この関節構成体は関節を包むように守っています。とても大切な軟部組織なのですが、怪我(外傷)や動かさないこと(不動)などにより
硬くなったり、動きを制限する原因になってしまうこともあります。
逆に、とても身体が柔らかい方は、先ほど説明した『関節構成体』がとても柔らかい場合があり、
医療用語では『関節弛緩(かんせつしかん)』と呼びます。
全身的な関節弛緩がある方もいらっしゃれば、身体の1部分がとても柔らかい方もいらっしゃいます。
これは、異常なことではなく身体の特性として捉えていくことができます。日本では、『東大式関節弛緩性テスト』を用いて評価されます。

この写真は、私がモデルとなって撮影させていただきました。
東大式関節弛緩性テストは4/7項目が陽性で全身的な関節弛緩性があると判断されます。
私は床に手のひらをつく以外の動きが陽性ですので、全身的な関節弛緩性の特徴があるということですね。
関節弛緩の特性
関節弛緩の特性は小児期に多いとされており、小学校で行われたりしている運動器健診では約8%が特性を有していたとの報告あります。
性差では女児に多く認められるとされており、性差や初経年齢などの関係が考察されています。
この特性は、良い/悪いで判断するものではなく体操やバタフライなどの水泳などでパフォーマンスを高める可能性があるとされている一方、
前十字靭帯損傷、膝蓋骨脱臼などの怪我や、扁平足、反張膝など関節に対してストレスを加えてしまう原因になる可能性もあります。
スポーツでの怪我は身体が硬すぎる/柔らかすぎる時に、
起こるとされています(右図)
そのため、適切な硬さ/柔らかさを得るために
身体が硬い場合は、『適切なストレッチや可動域運動を』
関節弛緩性がある場合は
『身体を適切に使うために関節コントロールや動作練習』が必要です。

まとめ
今回は、身体の柔らかさとして『関節弛緩性』についてご紹介しました。
スポーツや日常生活を送る上で適切な身体の硬さと柔らかさが必要ということですね。
当院では理学療法士がマンツーマンで身体の評価を行った上で、身体の特性に合わせてストレッチなどの身体を柔らかくする指導や
適切な身体のコントロールを指導していきます。
反張膝や扁平足などの強い特徴がある場合には、歩行やスポーツの動きに合わせて
オーダーメイドインソールの作成などで身体をサポートしていきます。
身体の痛みや身体の特性でご相談がある方はお気軽にご相談ください。経験豊富なスタッフがサポートさせていただきます。
理学療法士 小柳