
こんにちは、理学療法士の中村です。
今日は、股関節の整形外科徒手検査法の1つ、パトリックテストについて紹介したいと思います。
整形外科徒手検査法とは、医師および理学療法士などが行う身体診察(身体評価)の1つで、問診で考えられた疾患が正しいかどうかを確かめるために行われます。
パトリックテストですが、本邦のガイドライン「変形性股関節症診療ガイドライン2016」でも「Patrick テストは,変形性股関節症の診断における有用な診察所見である(Grade C)」と述べられています。
整形外科医の診察および理学療法士のリハビリテーションにおいて、股関節の評価で日常的に行わる検査の1つです。
パトリックテスト

- あおむけに寝て、検査する股関節の足の外くるぶしを反対側のお膝の上(大腿部)に乗せます。
- 検査者は、一方の手を上前腸骨棘(骨盤前方にある骨)に置き、もう一方の手を膝に置きます。
膝を下方に押し力を加えます。疼痛が誘発されたら陽性とします。
<注意点>
- 4の字の肢位が取れない場合、股関節の可動域制限が疑われます。
- 足が膝のお皿に届かない場合、関節の拘縮が疑われます。
- 股関節の疾患だけでなく、仙腸関節の疾患でも陽性となるため、疼痛部位の確認が重要です。
さて、パトリックテストですが、患者さんご自身でもセルフチェックとして簡易的に行えます。膝を押す動作はご自身ではできないので、膝を床方向に下げるのを自分自身で行う必要があります。
パトリックテストは整形外科徒手検査法の1つです。股関節の整形外科徒手検査法は、パトリックテスト以外にもたくさんあります。また、整形外科徒手検査法だけで疾患を判断することはできません。医師は、問診、視診、触診、画像検査、徒手検査、神経学的検査など、さまざまな検査を経て診断を行っています。
股関節の違和感、痛みなどがある場合、整形外科の受診をご検討ください。