
こんにちは、理学療法士の小柳です。
当院に受診される方の中には、歩く時に膝や足が痛いとおっしゃる方も多くいらっしゃいます。
私たち理学療法士は、リハビリで患者さんの歩き方をみて、『どんな場所に負担が掛かっているのか、どんな場所に痛みがありそうなのか』を評価していきます。
今回のブログでは、そんな歩き方の中でも『足のつき方』について詳しくお伝えします。ぜひ、ご自身やご家族の歩き方を見直してみてください。
歩き方のチェック
リハビリをしている時に、患者さんから『私の歩き方は変かしら?』と聞かれることも多いです。
正しい歩き方とはどのような歩き方なのでしょうか?
まず、歩きは『重力に対して立位姿勢を保持しながら全身を移動させる複雑な動作』と定義されます。
簡単な言葉にすると、『バランスをとりながら、負担がないように、身体を移動させる』ということになります。
リハビリでは、このバランスの取り方や力の入れ方などを、「左右差が少なく行えているのか?」「身体に負担のかかる動きではないのか?」を理学療法士の目やさまざまな整形外科テストを利用して評価しています。

歩き方は、足が地面についている(立脚期)と足が地面から浮いている(遊脚期)で分けていき、全部で8つの期に分けて1つ1つ確認をしていきます。
その中でも、重要なタイミングとして歩行の始まりである、初期接地(Initial contact)が挙げられます。
踵からついて歩きましょう!
先ほど重要とお伝えしました、初期接地では足裏全体で体重をかけるのではなく、踵からの接地(Heel contact)が重要とされています。
これはなぜなのでしょうか?
人が歩く時には、地面に足が接地した瞬間に体重の60%という重さがかかると言われています。
この瞬間に、衝撃が分散できないと関節に負担がかかったり、筋肉に無理をさせたりと痛みが出現する原因の1つとなってしまいます。
また歩く時は、たくさんの距離を移動したり連続して負担がかかり続けることで、関節の変形や筋肉の異常につながることがあります。
負担を防ぐために人間の身体には、衝撃吸収をするための機能がいくつも準備されており、その一つが踵の形です。
踵の形は丸みを帯びており、地面についた瞬間に前方へ転がることで衝撃を分散できるようになっています。(ヒールロッカー機能)

そのため、踵から歩くことで衝撃を分散させて、身体への負担を減らすことを推奨しています。
踵から歩くには、サンダルのように踵がない履物やパンプスやヒールのように踵がない履物では難しいです。おしゃれの為や、すこし近所を歩くぐらいでしたら身体への負担は少ないですが、長時間歩く時にはあまりオススメできません。
長時間歩く時には、スニーカーやウォーキングシューズなど歩くことを目的とした靴や、足にあったサイズや正しい靴の履き方を行うことが、より身体の負担を減らすことにつながるので意識してみてください。
また、適切な靴を履いていても長期間利用している場合など踵がすり減っていることも多くあります。そのような場合は、新しい靴の準備や適切な靴のフィッティングが必要となります。

当院では、身体の痛みがある場合に理学療法士が歩きをチェックし負担のかかっている場所を見つけていきます。靴の選び方やインソールの作成などでより歩きやすさをサポートすることも出来ますので、お気軽にご相談ください。
小柳