
こんにちは、理学療法士の佐藤です。
私たち理学療法士は患者さんのリハビリを提案する上で「動作分析」を大事にしています。痛みがでる動きには特徴があり、動作分析とはその人の動きの癖と痛みの出る動作を分析する作業をいいます。
動作分析を行う動きで多いものの1つとして「椅子からの立ち上がり」があります。日常の中で必ずと言っていいほど使われる動きの1つです。
今日のブログでは「椅子から立ち上がり」についてお話しします。
患者さんの立ち方を見ていて多いパターンは
- 背中が丸まったまま体の反動を使う
- 膝と膝がくっついたまま動く膝が中に入る
健常な方でも多い動きですが、どちらの動きも股関節がうまく使えずに重心移動がスムーズにならない動き方と言えます。
では、からだへの負担の少ない立ち方とは?



からだへの負担の少ない立ち上がりで大事な点を3つ挙げると
- 左右均等
- 筋肉が正しいタイミングで働いていること
- スムーズな重心移動
実際に理想的な立ち方を見てみましょう。
1.骨盤を起こし、膝と足首は肩幅に開く
2.背筋を伸ばしたまま、骨盤から動き出して上半身を前に傾ける
3.足裏全体に体重が乗ったタイミングでお尻を持ち上げ立ち上がる、この時膝が中に入らないように注意します
実際にこの立ち方をやってもらうと普段よりも
ゆっくりとした立ち方だけど立つのが楽だった
膝が内に入っていたことに初めて気づいた
などの感想をいただくことが多いです。
立ち上がりの動きは全身を使った動きです。背中が丸まるまたは腰を反りすぎる、反動を使うなど正しいタイミングで股関節の筋肉をうまく使えないことで、腿の筋肉や腰の筋肉が必要以上に使われてしまい筋肉や関節に負担が生じます。
今回のブログでは「からだへの負担の少ない椅子からの立ち上がり方」を紹介をしました。健常者でもみられる動きを中心に紹介しましたが、手術や外傷後の痛みや恐怖が原因で左右均等な立ち上がり方ができなくなることもあります。その場合はリハビリとしてまず立ち上がりが再獲得できるように補助や練習をマンツーマンで行い、自宅での日常生活で実用できるように支援します。
椅子から立ち上がりを均等かつスムーズに行うことは体を痛めない体の使い方をする上で大事です。普段何気なく行っている立ち上がりですが、1日に何回も行われる動きです。ぜひ日常に取り入れてみてください。
理学療法士 佐藤