こんにちは理学療法士の玉田です。

日常生活の中で、以前に比べて動きにくくなったり歩くことが億劫になったりしたと感じる事はありませんか?

コロナでの外出自粛から機会が減ってしまい運動不足になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

運動不足が続くと『フレイル』や『ロコモティブシンドローム』、『サルコペニア』になってしまう可能性があります。

今回は、この中でもサルコペニアについてまとめていきます。

サルコペニアとは?

サルコペニアとは、加齢に伴う筋肉量の減少および筋力・運動機能の低下のことです。

筋肉量の減少は25歳~30歳から始まり生涯を通し進行していきます。60歳以降では、年間1.4%~2.5%骨格筋が低下するという報告もあります。

筋肉量や筋力が低下する事で、日常生活がしにくくなり、介護が必要になったり転倒の原因になります。

サルコペニアの原因は、

  1. 加齢が原因による一次サルコペニア
  2. 活動、栄養、疾患が原因の二次サルコペニア の2つに分類されています。

サルコペニアチェック

2019年にAWSG(Asia Working Group for Sarcopenia)にてサルコペニアの診断基準が見直されました。

1.骨格筋量 DXA(男性7.0㎏/m²未満、女性5.4㎏/m²未満)、BIA(男性7.0㎏/m²未満、女性5.7㎏/m²未満)

2.筋力 握力が男性28㎏未満 女性18㎏未満

3.身体機能 歩く速さが1秒に1m以下

以上の項目の中で、1.骨格筋量の項目と2.筋力または3.身体機能の項目が2つ該当しているとサルコペニアと診断されます。

その他にも、サルコペニアを自分でチェックする簡単な検査方法として、開眼片脚立位テストや5回立ち上がりテストがあります。

開眼片脚立位テストでは、いずれか片脚でも8秒未満となった場合、5回立ち上がりテストは12秒以上となった場合にサルコペニアの疑いがあるとされています。

更に簡単にチェックできる質問式ものもあるので確認してみてください。

以上の項目の合計点数が4点以上の場合もサルコペニアの疑いがあるとされています。

サルコペニアの予防方法

加齢や疾患により、筋肉量が減ってしまい動くと疲れやすくなる⇒運動不足になる⇒食欲が低下する⇒低栄養状態になってしまう⇒さらに筋肉量が減ると悪循環を引き起こしてしまいます。

サルコペニアの予防には、運動栄養の二つが重要です。

適度な運動は、筋肉量を増やすのに効果的です。立ち上がりやつま先立ち等の筋力トレーニングと散歩などの有酸素運動を合わせて取り入れると良いとされています。

散歩は、手軽な運動手段となるかと思いますが、サルコペニアの予防には1日女性は7000歩、男性は8000歩の散歩が推奨されています。散歩の中でも早歩きを15分~20分以上取り入れると良いとされています。

また、食事もサルコペニアの予防には効果的と言われています。栄養の中でも、特にタンパク質の摂取が重要で、1日に体重1㎏あたり1g以上のタンパク質の摂取(体重40㎏の方は40g)が推奨されています。

運動だけでなく、肉類や魚介類、大豆製品、乳製品などタンパク質を多く含む食材を食事の中で意識して取り入れてみて下さい。