こんにちは、理学療法士の小柳です。

 

春になり4月から新生活・新学年が始まる方も多いと思います。その中で、通学に必要なローファーの適切な選び方についてご紹介します。

病院に来られる患者さんや、駅などで見る学生さんなど足のサイズに合っていない靴を履いている方を見かけます。

ぜひ、参考にして頂き、足にピッタリと合う靴で新生活を送っていただければと思います。

ローファーの歴史

もともと、革靴が主流であったイギリスや貴族階級の中で、紐を締めなくてよいという意味で『loafer(怠け者)』 と呼ばれ大流行しました。それが、徐々に広まっていきアメリカで現在のローファーの元となるデザインが完成したと言われています。

元々、怠け者と呼ばれていた靴ですが、今ではおしゃれな靴として使用されていたり、通学をする方に最も履かれている靴の種類です。

 

紐を結ばずに、履きやすいことが一番のメリットですが、裏を返せば紐がないので足にぴったりフィットすることが難しい靴の種類でもあり、選び方が非常に重要になります。

ローファーの適切なサイズ

靴選びにはローファーに限らず、足の縦(足長)が合っていることが重要です。

日本のメーカーでは、0.5cm刻みで作成していることも多いですが、海外のメーカーでは、cmではなくインチでのサイズ記載の場合があったりと靴により差があることも多くあります。

 

また、適切な靴のサイズには足の幅であるウィズ(ワイズ)も重要になります。

これは、靴を作るときの木型(ラスト)の形にもよるのですが、JIS規格では、A・B・C・D・E・2Eなどの単位で

足の幅(足幅)では2mmずつ、足の周囲(足囲)では6mmずつの幅でサイズが上がっていきます。

 

ローファーは、足の甲を紐で縛ることが出来ず大きく開いているので、大きすぎるサイズや幅にしてしまうと、踵がヒールカウンター(靴の踵)から飛び出してしまい、上手く地面を蹴ることが出来なくなってしまいます。

地面をうまく蹴ることができないと、靴の中で足の指を握り込んでしまい、足裏の筋肉や筋膜(足底腱膜など)に負担がかかってしまい、踵や足裏の痛みにつながってしまうこともあります。
 

そのため、ローファーを選ぶときは靴ベラを使用して履く程度にぴったりとしたサイズが推奨されています。
今は、短い靴ベラや真鍮(しんちゅう)製のおしゃれな靴ベラなども売っているため、ぜひローファーを普段から使用される方は、持ち歩くことで靴を傷めず、スマートに履くことが出来るのでお勧めします。

ローファーの素材による変化

サイズ以外にも、ローファーの素材によっても履き心地が変化します。

天然の皮を使用している靴では、少し重く感じるかもしれませんが、靴が足になじむので長く履いていくことで自分の足にぴったりとフィットする靴になります。また、しっかりとお手入れをすれば、人工の皮よりも長く履くことが出来ます。

 

人工の皮では、軽く履けて値段的にも安価な物が多いです。高校生では、まだまだ足サイズが変化するので半年に1度は靴の見直しが必要なので、人工の方が変更しやすいメリットがあります。
しかし、皮が柔らかくなることはないので、足に合わない場合には形やウィズの変更などを検討する必要があります。

 

脱ぎ履きがしやすくサイズが合っていない靴を長く履くことで、足の痛みや歩き方の変化につながることがあるため、注意が必要です。

当院では、適切な足サイズの測定を行い、足に合ったサイズをご提案しています。

また、ご自身の足や歩きに合わせたオーダーメイドインソールの作成を行い、足への負担を軽減することも可能です。

足の痛みや靴のご相談などがあれば、お気軽にご来院ください。