こんにちは、理学療法士の中束です。

 

足のアーチは代表的な土踏まず(内側縦アーチ)など聞いたことがある方も多いと思います。

 

足には、内側縦アーチ・外側縦アーチ・横アーチがあり、体重を支えたり、バネやクッションのような役割を担っています。

 

手にもアーチ機能があり、手の動きには必要不可欠な機能となります。

手のアーチ機能

手には多くの骨が存在しており、それらの構造が手のアーチ機能を構成しています。

 

<手の構造>

 

手のアーチ機能としては、近位横アーチ、遠位横アーチ縦アーチ対立アーチの4つがあります。

 

近位横アーチは、遠位手根骨列によって構成され、強固な靭帯によってつながっているため構造の変化は少なく一定です。

遠位横アーチは、中手骨頭(MCP関節)レベルで構成され、可動的で動きによって彎曲度は変化します。

 

縦アーチは、中手骨・基節骨・中節骨・末節骨の手指を構成する骨によるアーチとされています。

 

対立アーチは、母指と小指(環指を含めてもよい)で構成されています。

 

縦アーチ、対立アーチともに彎曲度は動きによって変化します。

なぜ、アーチが必要?

手の動きといっても、日常生活では様々な動きが行われています。

 

ボールやドアノブを握ったりするにぎる動作、細かいものを持ったりするつまみ動作は把握動作として分類されています。

 

把握動作は動的な機能とされる一方、静的な機能として非把握動作といわれる動作があります。

 

水をすくい上げる、どんぶりを持つなどの手を道具として支える動作、壁を押したり手をつく動作などが非把握動作の代表例とされています。

 

このように様々な手の動きを可能としている要素の一つとして、手のアーチ機能が重要となります。

 

当院では、手の疾患として橈骨遠位端骨折や手指の骨折後、靭帯や腱の損傷後などの方が多くいらっしゃいます。手の機能は多岐にわたるため、それぞれにあったリハビリテーションを行っています。