後期(術後8週〜10週)

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術後リハビリテーションは主治医の指示および術後リハビリプロトコール(リハビリ計画)に従います。

紹介状に術後リハビリプロトコールがない場合、定期受診の際に患者さんご自身での確認が必要です。

ここで紹介している術後リハビリプロトコールは1つの基準です。

各段階へのステップアップは、主治医の指示のもと、手術内容、回復度、リハビリの進み具合、身体機能、競技レベルなどを考慮して決定されます。

足関節靭帯損傷・術後リハビリテーションの後期は、筋力向上、バランス機能向上、ランジ動作を行っていきます。

この時期は無理をしないことが大切です。やりすぎは組織に負担をかけてしまいますので、量よりも質(Quality over Quantity)を心がけましょう。

医師からの指示

  • 内がえし・外がえし開始
  • 片足でのヒールレイズ20回を目安にジョギング開始

目標

  • 筋力向上
  • バランス機能の向上
  • ランニング開始

注意点

  • 体重のかかるエクササイズは、軟性装具を着用して行う。

次回の診察で確認してほしいこと

  • 自転車開始時期
  • 足関節底屈動作の開始時期
  • 足関節内がえし・外がえし動作の開始時期
  • 軟性装具の着用について(いつまで?外していい動作は?)
  • ランニング復帰時期
  • スポーツ復帰時期(対人練習はいつから?)

関節可動域エクササイズ

足趾と握手:足関節内がえし

  • 座位、手の指を足の指の間に入れる。
  • 足趾を掴んだまま、足関節を上下に動かしながら回す

タオルスライド左右

  • 座位、タオルの上に前足部を乗せる。
  • 足部内側でタオルを外側に動かす(母趾球でゴミを外にはくように)。
  • 足部外側でタオルを内側に動かす(小趾球でゴミを内にはくように)。

回数・セット数の目安:10回、3〜5セット

膝が動かないように注意する。

座位)足関節内返し

  • 座位、両膝を伸ばし、両足を前に投げ出した姿勢をとる。
  • 両足の母趾を合わせる(タッチする)。

四つばい)しゃがみこみ:足関節底屈位

  • 四つばい、つま先は下げる(足関節底屈位)。
  • しゃがむ(お尻を下げる)。

回数・セット数の目安:10回、3〜5セット

足関節エクササイズ

ボール:内返し(等尺性)

ボール:外返し(等尺性)

座位)セラバンド:内返し

座位)セラバンド:外返し

座位・足クロス)セラバンド:内返し

立位)シングルヒールレイズ:下腿三頭筋

  • 片足立ちとなる。
  • 踵を上げる(つま先立ち)。
  • 片足をゆっくり下げる。

荷重する場所は、母趾または第2趾の付け根です。母趾を意識するあまり、内側につぶれてしまう場合は、第2趾を意識して荷重しましょう。

バランスエクササイズ

  • 痛みのない範囲でエクササイズを継続する。
  • 痛みが増悪する場合は中止する。
  • 回数・セット数の目安:3〜5セット

ワンレッグリーチ

  • 片足立ちになる。
  • 背中はまっすぐ、股関節を軸に上体を前に倒しながら、片手を前に伸ばす(例:左軸足ー左手)。
    手を伸ばす高さは最初は胸の高さ 、次に へそ、 膝と低くしていく。
    おへそ、膝のお皿は床を向く。
  • 股関節を軸に上体を起こし、片足立ちに戻る。 

慣れてきたら、右手、左手、両手と順番に腕をリーチすると良い。

バランスが崩れる場合は、壁を使うと良い。

BOSU )足関節底背屈

BOSU) スクワット

全身エクササイズ

  • 痛みのない範囲でエクササイズを継続する。
  • 痛みが増悪する場合は中止する。

体幹エクササイズ【中級D】3点支持・膝立ち

体幹エクササイズ【中級D】3点支持・膝立ち

目次トライポッド・アームリーチトライポッド・ローテーションハイ・ニーリングハイ・ニーリング・ダウンハイ・ニーリング・ローテーションハイ・ニーリング・オープン トライポッド・アームリーチ トライポッド・ローテーション ハイ […]

シングルレッグ・ブリッジ

  1. あおむけ、両膝を曲げる。片側の股関節と膝関節を90°にする。
  2. お尻を天井方向に持ち上げる。おへそは天井を向く。
  3. ゆっくりお尻を下げる。

別法:足を組み、お尻を持ち上げる。

リバース・スライディング・ランジ

  • 立位、足は肩幅、片足に紙皿やティッシュなどを置く。
  • 片足を後ろに滑らせ、前足の股関節と膝関節を同時に曲げる(膝45°または90 )。
    両肩は水平、そけいぶにシワができる(=股関節を上手くつ使えている)、膝とつま先の向きはまっすぐ。
  • 片足を前に滑らせながら、立位に戻る。

股関節と膝関節の動きを意識する。膝だけの動きにならないように注意する。

スライディング・ラテラル・ランジ

  • 立位、足は肩幅、片足に紙皿やティッシュなどを置く。
  • 片足を横に滑らせながら、上体を前に倒し、前足の股関節と膝関節を同時に曲げる(膝45°または90 °)。
    両肩は水平、そけいぶにシワができる(=股関節を上手くつ使えている)、膝とつま先の向きはまっすぐ。
  • 片足を前に滑らせながら、立位に戻る。

上体が起き上がらないように注意する。

ランジ

  • 立位、足は肩幅とする。
  • 前に片足をステップし、股関節と膝関節を同時に曲げる。
    両肩は水平、そけいぶにシワができる(=股関節を上手くつ使えている)、膝とつま先の向きはまっすぐ。
  • 前足で地面を蹴って、元の位置に戻る。上体をそらして戻らない。

ボクサーステップ

  • 足を前後に2ステップし、右と左を10回繰り返す。
  • 両足をステップし、次に片足を前に出す、10回繰り返す。
  • 両足をステップし、次に片足を持ち上げる、10回繰り返す。

スキップ

片足を持ち上げながら、スキップをする。

インターバル・ランニング

3分ジョギング、1分休む、5セット行う。