急性期・炎症期の症状
肩の痛みが強い時期は、肩関節の周りの組織(関節包、筋肉、靭帯など)に炎症が起きている状態です。
主症状は痛みです。
腰を触ると痛い(触れない)、反対の肩を触ると痛い(触れない)、また、夜寝ている時に痛くて目が覚める(夜間痛)といったことが起こります。
痛みが強い時期、特に、夜間痛がある場合は、痛みのコントロールが重要になります。
痛みのコントロールをするために、投薬または注射、痛みを誘発する姿勢や動作の制限が必要になります。
(当院では痛みのコントロールのために投薬を行っています。注射は行っていません)
痛みが軽減してくると、肩関節の可動域が制限されます。
腕が上がらなくなることに不安を感じるかもしれませんが、炎症期を過ぎ、肩関節を動かせる時期になります。
この時期から、リハビリ、自主トレなどを積極的に行なっていきます。
寝る時の姿勢
あお向けに寝る時は、肘の下やお腹の上にタオルやクッションを置くと肩の負担が減ります。
横向きに寝る時は、痛い側の肩を上にして、大きめの枕(抱き枕)を使いましょう。
腕が前に落ちる、後に落ちることで、肩に負担がかかり痛みを引き起こします。
寝返りで肩が痛くなってしまう場合は、壁側に寝て寝返りが起こらないようにしましょう(例:左肩が痛い、壁を左側にする)。壁がない場合は、クッション・布団などを置きましょう。
日常生活で気をつける動作
腕を90°以上挙げると痛い、腕を横に挙げると痛い時期は、体の正面で作業をするようにしましょう。
更衣動作も注意が必要です。
「脱ぐときは良い肩から、着るときは悪い肩から着る」ようにすると負担が少ないです。
首から通す服だと痛い場合は、前開きのシャツなどにすると肩の動きが少なくなり、負担が減ります。
痛みをコントロールするために肩に負担をかけないようにしましょう。
体操
座位姿勢の修正
- 骨盤をできるだけ立てる(起こす)。
- 10%、力を抜く。
必要に応じて、丸めたタオル・クッションを背もたれと腰の間に入れる。
良くない姿勢に気づいたら、姿勢を変える。
同じ姿勢を長時間しない( = 常に良い姿勢をする必要もない )。
リラックスした姿勢を心がける。
椅子では、お尻と背もたれの距離が離れすぎない。
肩甲骨を動かす
- 手は膝に置いたままか、肩に置く。
- 肩甲骨を背中に寄せる。肘から動くと肩の動きになってしまうので注意しましょう。
体操の目安:6〜10回、午前(朝)・午後(夕)に行う。
タオルスライド
- 机の上のタオルに両手を置く。
- 骨盤を立てて、上体を前に倒しながら、タオルをスライドさせる。
前屈
- 上体を前に倒し(前屈)、腕を垂らす。
コッドマン体操
- 机などに手または前腕をつき、腕を床方向に垂らす。
- 肩の力を抜いた状態で、体を前後に動かします。
腕を振ひらないように気をつけましょう。
体操の目安:30秒を3〜6回、午前(朝)・午後(夕)に行う。