- 腰痛の原因となる組織・構造には、椎間関節、椎間板、筋筋膜、神経組織、仙腸関節などがあります。
- 神経が原因となっている腰痛の場合、症状緩和のため、投薬が必要になります。
- 腰痛の原因は組織・構造だけでなく、身体機能(柔軟性低下、筋力低下、良くない姿勢や体の使い方など)や心理社会的要因(不安・ストレス・恐怖・怒り・抑うつなど)が原因となることが明らかになっています。
- 腰痛の多くは、1ヶ月以内に徐々に良くなってくるので安心してください。安静臥床は避けて、普段通りの生活をしてください。コルセット着用は痛みが強い時期にとどめましょう。
- 腰痛は再発しやすいため、痛みがなくなったら大丈夫というわけではありません。再発予防に向けた身体機能の改善のための治療プログラムが大切です。
脊椎の専門知識・技術を有する理学療法士が、身体機能と心理社会的要因の評価を行い、一人ひとりに合った治療プログラムをご提案します。
若年者(学生)の腰痛、腰椎分離症に注意
□ 日常生活で腰は痛くないけども運動時に腰が痛くなる
□ 2週間以上、痛みが続く( = 痛みが変わらない)
□ 腰をそらす(伸展)、回す(回旋)と痛い
□ 痛みは腰の片側にでる
□ 痛みは鋭い
□ 腰を押すと痛い
上記の症状に複数当てはまる場合、保護者同伴にて受診してください。
- 腰痛は幅広い年代で起こりますが、小学生・中学生・高校生でスポーツを高頻度で継続的に行なっている学生の場合、「腰椎分離症」に注意が必要です。
- 腰椎分離症とは、骨が未成熟な成長期に、スポーツなどの動作で腰椎に伸展および回旋の負荷が持続的、繰り返し加わることで、腰椎に負担がかかり続け疲労骨折が起こった状態です。
- スポーツを高頻度でしている学生の場合、「レントゲンで問題ないから大丈夫」ではありません。レントゲンで判断可能な「スコッチテリアの首輪」は腰椎分離症の終末期を表しており、骨癒合が期待できない状態となっています。 初期の腰椎分離症はレントゲンでは診断ができないため、上記の症状に複数当てはまる場合、 MRIにて早期診断、骨折治癒能力の推測を行い、CTにて病期分類、最終的な骨癒合の評価を行います。
- 初期の腰椎分離症は適切な対応をすれば骨癒合を期待できます。腰椎分離症の治療の基本は、骨折部位への負荷をなくす = 運動を中止し、一定期間、腰椎の伸展・回旋ストレスを減らすためにコルセットを着用します。 スポーツ復帰時期は、2〜3ヶ月後にMRIにて骨輝度変化の消失およびCTにて骨癒合を確認して決定します。