足関節外側靭帯損傷(足関節捻挫)とは

足関節外側靭帯損傷とは、足関節の外側の靭帯(前距腓靭帯、踵腓靭帯、後距腓靭帯)を損傷した状態のことをいいます。

  

足関節捻挫と呼ばれることが多いですが、最近では足関節外側靭帯損傷というようになってきています。

  

「捻挫」はすぐ治る放っておけば良くなると思われがちですが、可動域制限、痛み、バランス低下などの機能障害が起こる可能性があり適切な評価・治療が必要とされています。

  

当院の足関節外側靭帯損傷の治療プランは、痛めた靭帯を緩みなく治癒させる、また、早期競技復帰のためにテーピングによる固定を最低2週間行っています。

 

ギプス・シーネによる固定は基本的に実施しておりません。

 

スポーツ復帰は、損傷の程度にもよりますが、2〜6週間以降となります。復帰時は、基本動作から開始し、徐々に対人練習に参加していきます。

 

当院では医師と理学療法士が連携して患者様の評価を行い、原因に対して治療プラン、リハビリの内容を作成し実施しております。

 

足関節外側靭帯損傷の理学療法

足関節外側靱帯損傷の理学療法には、テーピング、アイシング、ストレッチ・関節モビライゼーション、運動療法、動作修正エクササイズ、日常生活指導、インソールなどがあります。

 

理学療法士が個々の患者様の身体・状態を評価し、機能障害の要因を判断し、治療内容を調整していきます。

理学療法士とは(外部リンク)

アイシング

急性期(怪我した日から1~2日)は出血と腫脹を減らすために、痛みや熱が落ち着くまでの2~3日はアイシングを頻回に行います。

飲酒は損傷部位の修復に影響を及ぼすため、腫れや痛みが強いうちは控えて下さい。

 

足もつけないような重症の場合、松葉杖にて免荷歩行を行います。

ストレッチ・関節モビライゼーション

炎症症状が治まってきたら、炎症また固定により生じた可動域制限を改善していきます。

 

問題となっている関節のだけでなく、隣接関節に対しても、ストレッチ、関節モビライゼーション、筋膜リリースといった技術を用いて、関節の可動域を改善していきます。

 

また、関節可動域の維持・向上のために患者様自身にもご自宅でのストレッチ・運動をご提案しています。

<当院で指導しているホームエクササイズ(自主トレ)>

ホームエクササイズ

運動療法

機能維持を目的に股関節周囲の患部外エクササイズ、足関節に負担をかけない状態での体幹エクササイズ、エアロバイクによる有酸素運動を行います。

組織の治癒を考慮して、徐々にスクワット、ランジ、ヒールレイズ、ジャンプといった運動を行っていきます。

 

また、バランス機能の改善のために、段階別のバランスエクササイズを実施します。

ヒールレイズは、最初は両足から始め、徐々に片足での行います。踵上げが安定してできるようになったら、ジャンプ動作へと移行していきます。

 

ランニング、スポーツ動作を安定して行うためには、シングルヒールレイズ(片足での踵上げ動作)が安定して行える必要があります。

動作修正エクササイズ

立ち上がり、歩行、ランニングなどの動作時の痛みに対しては、動作修正エクササイズを行います。

 

急性期・炎症期は膝に負担のかからない動作(疼痛回避動作)をとります。これは組織に負担をかけない、組織の治癒を促進するために必要なことですが、炎症がおさまってもかばう動作を続けてしまうのは良くありません。

 

膝関節また別部位への負荷の増加、筋力低下、回避する動作の習慣化といった二次的な問題が起こります。

理学療法士が適時、姿勢・動作を修正してきます。

インソール

股関節・膝関節・足部機への負担軽減、足部機能・バランスの改善、アーチのサポート、変形予防などを目的にインソールを作製します。

足サイズ・足の形態・立位姿勢などの評価に加え、歩行などの動作を確認しながら調整することで、より機能的なインソールを作製しています。

インソール作成についてはこちらをご確認ください。

インソール作製(保険外診療)

 

足関節外側靭帯損傷のリハビリのポイント

足関節外側靭帯損傷後は、つま先を上に向ける、体重をかけるときの下腿が足の方に向かう背屈(はいくつ)とよばれる動作の制限が起こることが多いです

  

痛みを避ける動作やテーピング固定によって筋膜・筋肉が硬くなったり、距骨という骨が後方へ滑り込まなくなると、背屈制限が起こります。

 

背屈制限があると、しゃがみこみで足関節前面につまり感が生じたり、また、つま先が外を向くことで膝が内側に入る動きになります。

  

足関節の可動域制限があると、つま先が外、膝が内側に入る状態(Knee in Toe out:ニーイントーアウト)が長期間続いてしまう可能性があり、膝関節、股関節、腰部に負担が生じ、各関節の痛みの原因となります。

 

「昔、足をひねったことがあります」という既往歴があり、つま先を外に向けた歩き方をしていて、足関節に可動域制限がある場合は、距骨の動きを評価する必要があります。

 

修正のためにはストレッチだけでは不十分で、理学療法士による関節モビライゼーション、Knee in Toe outの動作癖改善のために動作指導・練習をしていく必要があります。

 

足関節外側靭帯損傷を繰り返してしまっている場合、関節の可動域制限だけではなく関節の不安定性が生じていることがあり、不安定性に対してはバランス能力の改善のための運動療法が重要になってきます。