
腰痛は幅広い年代で起こりますが、スポーツを高頻度で継続的に行なっている学生の場合、「腰椎分離症」に注意が必要です。
腰椎分離症とは、骨が未成熟な成長期に、スポーツなどの動作で腰椎に伸展および回旋の負荷が持続的、繰り返し加わることで、腰椎に負担がかかり続け疲労骨折が起こった状態です。
腰椎分離症の場合、一定期間、スポーツの中止が必要となります。
□ 日常生活で腰は痛くないけども運動時に腰が痛くなる
□ 2週間以上、痛みが続く( = 痛みが変わらない)
□ 腰をそらす(伸展)、回す(回旋)と痛い
□ 痛みは腰の片側にでる
□ 痛みは鋭い
□ 腰を押すと痛い
上記の症状に複数当てはまる場合、注意が必要です。保護者同伴にて受診してください。
レントゲンでは初期の腰椎分離症は診断できない
- スポーツを高頻度でしている学生の場合、「レントゲンで問題ないから大丈夫」ではありません。 レントゲンで判断可能な「スコッチテリアの首輪」は腰椎分離症の終末期を表しており、骨癒合が期待できない状態となっています。
MRI・CTで早期診断・骨癒合を評価
- 初期の腰椎分離症はレントゲンでは診断ができないため、MRIにて早期診断、骨折治癒能力の推測を行い、CTにて病期分類、最終的な骨癒合の評価を行います。
- MRI・CTで腰椎分離症が除外された場合、理学療法士が個別のリハビリプログラムを行います。
適切な対応で骨癒合を期待
- 初期の腰椎分離症は適切な対応をすれば骨癒合を期待できます。
- 腰椎分離症の治療の基本は、骨折部位への負荷をなくす = 運動を中止し、一定期間、腰椎の伸展・回旋ストレスを減らすためにコルセットを着用します。
- スポーツ復帰時期は、2〜3ヶ月後にMRIにて骨輝度変化の消失およびCTにて骨癒合を確認して決定します。