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術後リハビリテーションは主治医の指示および術後リハビリプロトコール(リハビリ計画)に従います。

紹介状に術後リハビリプロトコールがない場合、定期受診の際に患者さんご自身での確認が必要です。

ここで紹介している術後リハビリプロトコールは1つの基準です。

各段階へのステップアップは、主治医の指示のもと、手術内容、回復度、リハビリの進み具合、身体機能、競技レベルなどを考慮して決定されます。

膝前十字靭帯再建術後のリハビリテーションの初期は、組織の修復を図りながら、痛みの程度に合わせて、膝関節の可動域改善、立ち上がり、歩行などの基本動作の改善を行っていきます。

この時期は無理をしないことが大切です。無理をすると組織に負担をかけてしまいますので、量よりも質(Quality over Quantity)を心がけましょう。

目標

  • 術後4週で自動・他動運動での膝関節伸展可動域ー5°以内 
  • 術後12週までに膝関節正常可動域の獲得
  • 正常な立ち上がりの獲得
  • 正常歩行の獲得(痛みなく歩ける)

注意点

  • 術後3か月は再断裂のリスクが高くなります。
  • 手術時に半月板の縫合を行った場合、主治医から膝関節の屈曲制限の指示が出る場合があるので注意する
  • 移植腱に膝蓋腱を用いた場合、強度の高い膝伸展運動を実施しない
  • 移植腱にハムストリングス腱を用いた場合、強度の高いハムストリングス運動を実施しない
  • 合併症として痛み、腫れが生じる場合があります。必要に応じてRICE療法(休息・冷却・圧迫・挙上)を実施しましょう 

可動域エクササイズのポイント

  • 術後早期に伸展可動域を改善することが大切です。
  • 術後3週以降、膝屈曲120°を獲得したら、エアロバイク(固定式自転車)を開始します。自転車の開始時期に関しては、医師の許可が必要になります。
  • 痛みが増悪する場合は中止する。

足部スライド

  • 長座位になり、必要に応じて足の下にタオルを置く。
  • 両手で膝を保持して、膝を胸に近づける(屈曲)。膝の前が持てない場合はもも裏を把持しましょう。
  • 膝を伸ばす。痛みがない範囲で膝を押す。(伸展)

タオル膝伸ばし

 

 

座位または仰向け、足首の下にタオルを置き、膝を伸ばす。タオルを足にかけ、手前に引く。

別法:あおむけ、膝を伸ばす。ハムストリングスに痛みがある場合は行わない

下腿三頭筋ストレッチ

  • 壁に両手をつき、足を前後に開く。
    *壁がなくても可能
  • 後ろ側の踵を床につけ、つま先まっすぐ、膝をしっかり伸ばす。

別法:台の上に足を乗せ、踵を台から下ろす。

通勤などでエスカレーターを使用する場合、このストレッチを行なってみてください。

 

別法:壁につま先を置く。

膝のお皿を動かす

  • 膝のお皿に手または指を当てる。
  • 膝のお皿を上・下・斜め上・斜め下に動かし、5秒止める。

膝のお皿の下の脂肪体を動かす

  • 膝のお皿の下にある膝蓋下脂肪体(しつがいかしぼうたい)に指を当てる。
  • 膝蓋下脂肪体(しつがいかしぼうたい)を左または右に動かし、5秒止める。

 

膝のお皿の上のマッサージ

  • 膝の上にある膝蓋上嚢(しつがいじょうのう)に肘、ボール、棒などを当てる。
  • 上下に動かし、マッサージする。

膝伸ばし

座位

あおむけ

座位または仰向け、足首の下にタオルを置き、膝を伸ばす。膝の上に重り(1〜2kg)を乗せても良い。

うつぶせ

うつぶせ、伸ばしたい足にもう一方の足を乗せる。足の上に重り(1〜2kg)を乗せても良い。

 

立位)ハムストリングスストレッチ

  • 立位、前に身体を倒す。
  • アドバンス:前の膝で、後ろの膝を伸ばし(膝ロック)、体を前屈する。

バランスを崩しそうな場合は、足をクロスしないで行ってください。安全に行いましょう。

 

膝曲げる

あおむけ

座位

もう一方の足を重ねて、下腿を後方に押す。

 

 

アドバンス1:両手で膝を抱える。

アドバンス2:片手でもも裏を抱えて、もう一方の手で足首を持ち、後に引く。